2017年3月20日 さらにつづき
私達から発症時の状況を聞き取るために、医師が処置室から出てきた。母がぽつりぽつりと話す内容を聞いていてびっくりしたのだが、父は昼前から倒れていたらしい。つまり、母が私に電話してきた時点ですでに3時間以上が経過していたことになる。時計を見ると16時をまわっているから、発症からもう4時間半以上。
脳梗塞は発症から間もない時間(4時間半以内)に血栓を溶かす血栓溶解療法を行うと良いとされている。早ければ早いほど後遺症を軽くすることもできるらしい。
医師が時計を見て慌てて処置室に戻って行った。
私は思わず母に、なぜ救急車を早く呼ばなかったのかと言ってしまう。過ぎたことを責めても仕方ないのだけれど、常に賢いことを誇っているような人なのに、あれだけ毎日情報番組を見てるのに、なぜ脳梗塞を疑うことをしなかったのか。
昨年の1月に父がインフルエンザで倒れた時の様子と似ていたからだ、と母が言う。あの時も倒れて動かなかった、だから今回もそうかと思った、と。でもでも、インフルエンザの時は救急車を呼んだでしょう?つまり動けない状況になったら助けを呼ぶべき、なんですよ。それができないっていうのは、判断力が無い、もしくは劣っているということではないですか?問題は判断力に問題がある、という認識が両親には全くないということ。自分たちはしっかりしているという自信があるから、他人を頼ることをしない。
17時過ぎまで待って、疲労困憊の母を先に自宅に帰すことにした。私が母を連れて戻り、弟が病院に残る。
19時頃になって医師から弟に説明があった。
脳梗塞。右下肢が麻痺。前頭葉にも梗塞の痕が認められる。言語障害、認知障害は無さそうだが、嚥下障害はあるかもしれず、今後しばらく経過観察の必要がある。今夜から入院して血栓を溶解させるための治療と、明後日からリハビリを行う。約2週間後、リハビリの専門病院に転院となる。
その後、私は再度病院に戻ったが、今日はここまで。入院の手続きをして帰宅した。疲労。これからどうなるのか不安でいっぱいの夜。
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