2017年3月3日
母は数着の着物を持っていた。入学式、卒業式、結婚式、お葬式の時にのみ出てくる着物だったが、記憶には残っている。私は着物を一切着ない。一着も持っていない。母ももう着物を着ることもないから、この際、全部手放そうということになった。
着物を売るなら♪とテレビでコマーシャルが流れている。インターネットでちょっと調べれば、他にもいくつかの着物買取の会社があることがわかる。着物の写真をとってネットで送付すれば、簡単な査定をしてくれるらしい。
この話を夫の母にすると、何枚か手放すつもりの着物があるから一緒に査定してもらって欲しいと言う。そこで、二人の母の着物の写真をスマホでとって買取会社に送ってみた。
すぐに連絡があって、営業マンが我が家に訪ねてきてくれることになった。どきどき。
で、営業マンがやってきて査定した結果はいかなるものであったか?
ま、予想の範囲内ではあったけれど、二束三文でした。庶民には結構な出費であったはずの着物なのだが、ブランドの着物(それって何?)か、明治、江戸からのビンテージ物でない限り、ほぼ無価値らしい。合計2000円程度で、二人の母の着物は旅立っていった。
2000円とは着物を持たせてくれた母(夫の祖母)の気持ちが悲しい、と義母が小さな声で言う。
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