2018年11月21日
今日はこの秋、はじめて結露した。冬が始まった。母と二人、街路樹の紅葉を見ながら府立医大に行く。
薬の効果が小さくなってきた母に医大の主治医は新薬への変更を勧めている。母は抵抗している。”薬をやめたらどうなるのか”、”もう死んでもいい”と言って担当医に絡んでいる。
薬をやめればどんどん調子が悪くなって、まともに生活できなくなって、痛み止めや安定剤で寝込んでしまう時間が長くなる。薬で治療して進行を緩やかにできれば活動できる時間を稼げて最後に苦しむ時間を少なくすることができる。今回の新薬は飲み薬で副作用が少なく多くの人に効果が大きいと認められている。主治医はこんこんと説明してくれる。
母はこの説明を受けた後、”子どもらに育て方が悪かったと言われてるし、もう死んでもいいんです”と唐突に言う。
はい?なんの話?主治医と看護師は聞こえないふりをしている。母は私に言って聞かせているのだろうと思う。でも心当たりがない。私、何か言ったっけ?そして死にたいのは私のせいなの?気に入らない老人ホームに入居させたから?
母が病気で苦しくて、不満しかない暮らしをしているのはわかっている。でもでもでもでも。はあ。いっそ私は泣けばいいのかもしれない。どうすればいいのかわからない気持ちのまま私も知らん顔をしている。
結局は主治医の説得により母が新薬を受け入れた。2週ごとに診察を受けに来なければなならないが、これでがんの進行が落ち着けば良いと思う。
地下の生協食堂できつねうどんを食べながら、ここの方がホームよりずっと美味しい、と母が言う。はいはい。
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